Mizublog

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200426_HSPとは

こんにちは。

今日は、HSPについて調べてみました。

HSPHighly Sensitive Person

 

自分の話をすると、わたしもHSPという言葉には、数年前よりひかれており、

本屋さんで立ち読みしたり、ネット上の情報をあさったりしていました。

 

以前はあまり知られていない概念だったので、あまり周りの人に言ったことは

なかったのですが、最近だと、TV番組でも取り上げられつつあり、すこしずつ

名前が浸透しているのかなと思います。

 

今回は、そのHSPについて、より正確に知識として把握したいと思い、論文を

読んでみることにしました。

 

まずはHSPという言葉を提示したカルフォルニアの心理学者、

「エレイン・N・アーロン博士」にフォーカスしてみます。

 

HSPとは、エレイン・N・アーロン博士らが提示した言葉

 

Aron&Aron(1997)は“感覚処理感受性(Sensory-processing sensitivity)”の概念を提唱している。彼らは,感覚処理感受性を,

“生得的な特徴であり,感覚器自体ではなく感覚情報の脳内処理

過程における基本的な個人差である。15%とされる感覚処理感

受性の高い人(Highly SensitivePerson:以下HSPとする)は些細

な刺激に敏感であり,刺激過剰になりやすく,新奇刺激に対し次

の行動を決める前にこれまでの経験と照合し,確認する傾向があ

る”と定義している。

 

出典元:赤城 知里・中村 真理(2017). 感覚処理感受性とソーシャルスキル,精神的回復力の関連性の検討 (原著)東京成徳大学臨床心理学研究,17号,2017,59-67


英語は難しいので、日本の研究者の方の論文を引用させていただきました。

 

HSPは、「感覚処理感受性(Sensory-processing sensitivity)」の高さで

判断されるのですね。

 

この、感覚処理感受性(以下、SPS)は、

・生得的な特徴であり,

・感覚器自体ではなく感覚情報の脳内処理過程における基本的な個人差

ということです。

 

SPSは生得的、つまり先天的、生まれつきの体質。

さらに、HSPの人は一般的に、においや音などに敏感と言われますが、

鼻や耳自体に特徴があるのではなく、その情報を処理する脳の仕組み

の方に、特徴があるということです。

 

HSPの人は、

・些細な刺激に敏感であり,

・刺激過剰になりやすく,

・新奇刺激に対し次の行動を決める前にこれまでの経験と照合し,

 確認する傾向がある”

と定義しています。

 

HSPの人はよく、「繊細な人」と言われますが、刺激に対して敏感で、刺激過剰になる

だけではなく、次の行動を決める前にこれまでの経験と照合し、確認する傾向があるの

ですね。

この「次の行動を決める前にー」とは、じっくり考えて(考えすぎて)行動する

(または行動できない、しにくい)、というイメージでしょうか。

 

ここまでで、HSPの定義についてはなんとなくわかってきたのではないでしょうか。

次に、それらの特徴を持つ人をどうやって判断するのか、という指標のお話をします。

 

HSP、非HSPをどうやって判断する?

アーロン博士は、以下の27項目を設定しています。

HSPの指標なので、Highly Sensitive Person Scale(以下HSPSとする)と呼ばれています。

 

これらの妥当性については、各国で検証が行われており、日本では、初めの19個が

HSPSの日本版として使用されているようです。

 

参考:高橋亜希,(2016).  Highly Sensitive Person Scale(Aron&Aron,1997)日本語版27項目

 

 

  1. 大きな音や雑然とした光景のような強い刺激がわずらわしいですか?
  2. 大きな音で不快になりますか?
  3. 一度にたくさんの事が起こっていると不快になりますか?
  4. いろいろなことが自分の周りで起きていると,不快な気分が高まりますか?
  5. 明るい光や強いにおい,ごわごわした布地,近くのサイレンの音などにゾッとしやすいですか?
  6. 忙しい日々が続くと,ベッドや暗くした部屋などプライバシーが得られ,刺激の少ない場所に逃げ込みたくなりますか?
  7. 一度にたくさんのことを頼まれるとイライラしますか?
  8. 短時間にしなければならないことが多いとオロオロしますか?
  9. 他人の気分に左右されますか?
  10. ビクッとしやすいですか?
  11. 競争場面や見られていると,緊張や同様のあまり,いつもの力を発揮できなくなりますか?
  12. 強い刺激に圧倒されやすいですか?
  13. 痛みに敏感になることがありますか?
  14. 子供の頃,親や教師はあなたのことを「敏感だ」とか「内気だ」と見ていましたか?
  15. 生活に変化があると混乱しますか?
  16. 微細で繊細な香り・味・音・芸術作品などを好みますか?
  17. 自分に対して誠実ですか?
  18. 美術や音楽に深く感動しますか?
  19. 豊かな内面生活を送っていますか?
  20. 周囲の環境の微妙な変化に気づきますか?
  21. カフェインの影響を受けやすいですか?
  22. 自分で休まなければならないほどに神経がすりへることがありますか?
  23. 物理的な環境で不快な感じがする人がいる場合,どうすれば快適にできるかわかりますか?(例えば,明るさや席を変える)
  24. 間違えたり物を忘れたりしないようにいつも気をつけていますか?
  25. 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしていますか?
  26. 空腹になると,集中力や気分を損なうといった強い反応が起こりますか?
  27. 動揺するような状況を避けることを優先して普段生活していますか?

いかがでしょうか。

これらの中で、いくつあてはまるからHSP、ということではなく、それぞれがどの程度

当てはまるか(引用の論文だと7段階にわけています)で、点数をつけていく方法で

数値化しています。

 

これらの中でも、2つの因子にまとめられたり、3つの因子にまとめられたりと、

今も研究が継続されているようです。

 

 

項目を眺めていて、ポジティブな要素と、ネガティブな要素があることが印象的でした。

 

HSPのすてきなところ

 

調べていると奥が深くなりすぎそうなので、今回はここまでにしようと思います。

 

最後に、HSPのポジティブなところについてのお話です。

 

項目中、ありましたね。以下のようなポジティブ。

  • 微細で繊細な香り・味・音・芸術作品などを好みますか?
  • 自分に対して誠実ですか?
  • 美術や音楽に深く感動しますか?
  • 周囲の環境の微妙な変化に気づきますか?

 

いいなって思います。

わたしも繊細な方だと思っているのですが、例えば、朝起きて、朝日がきれいなだけで

涙がでてきたりすることがあります。感動して、です。

あー、こんなにきれいなものを感知できて、繊細で本当よかったなと思います。

 

あとは、環境の変化に気が付けるって素晴らしいことですよね。

あなたに気づいてもらえてうれしいって人、周りに結構いるんじゃないでしょうか。

 

個人的には、HSPを嘆くのではなく、あえてそのままに。

感覚はなるべく繊細なままでありたいなと思います。

 

以上です。

ではまた。